そんな、雨のお通夜でした。
葬儀に行くといつも、人は亡くなるとどうなるのだろうか?
という、子どものような疑問が右脳と左脳を行ったり来たりします。
ねーさん。
あなたのとの出会いは10年前かな。
10年前のゼルビアは、金もない、環境もない、
あるのは情熱だけのサッカークラブだった。
まだアマチュアだったから、クラブの内外に線を引くことなんてなくて、
ボランティアなんて言葉も存在しない時代だった。
プロ化されるまでの一番苦しい時期、僕達のそばにはいつも、ねーさんがいた。
練習が終わった後には、田舎の法事か、コンビニに配達する業者のような、
大きな箱におにぎりやサンドウィッチが詰め込まれていた。
金もない、時間もない僕たちは、むさぼるように食べ、
午後の仕事に向かった。
午前は事務作業、午後はスクール、夜練習の時は、
お昼前に、ねーさんが大きな鍋を抱えて事務所にやってくる。
お昼になると、狭い台所から良い匂いが漂ってくる。
『今日は、マーボー丼よ!』
金もない、時間もない僕たちは、むさぼるように食べ、
午後のスクールに向かった。
一緒に泣いて、一緒に笑った10年間でした。
ご冥福をお祈り致します。
そして、ねーさんが愛する家族に幸あれ。

